
室内で育つように慣らした植物が「観葉植物」
そもそも植物は、本来全て屋外で育っています。それを室内環境でも育つよう に慣らした植物を『観葉植物』と私たちは名付けているのです。ですから、まず は観葉植物が育ってきた環境(=お育ち)を知り、その環境に皆さんのお家の 環境を近づけてあげると、植物が健全に育ってくれるようになります。

人が心地よい環境=植物に良い環境
植物も生き物なので、健康に育つには、適度な「光」「風」「温度」が必要です。
「どこに置くのが良いかわからない」と悩んでしまったら、難しく考えずまずは「自分が過ごして一番心地よい場所はどこかな」と考えてみましょう。きっとその場所が、植物にとって心地も良い環境になるはずです。

昼間、電気を消して本が読める明るさで◎
観葉植物のほとんどは、直射日光が当たらない室内で育つように作られてい ます。そのため夏場などに急に直射日光に当ててしまうと、光が強すぎて葉焼 けを起こしてしまうこともあります。観葉植物が自身の体を維持するのに必要な光量は、昼間、電気を消して本を読める程度の明るさでOK。窓がない部屋ではLED電球などで補光することで植物を元気に育てることができます。

植物は風がないと病気になります。
植物の病気の原因の9割は、バクテリアの発生と言われています。バクテリアの発生には「風」の動きが大きく関係しており、適度な風通しがあるだけで、部屋の湿度も下がり細菌が繁殖しづらい環境ができるため、植物も病気に かかりにくくなります。そのほかにも、風が吹くと葉の蒸散スピードが上がり水分を早く吸い上げられることから、養分の周りが早くなって生育促進になったり、土の乾きも早くなり根腐れが起きにくくなるといったこともあります。

秋冬の寒暖差、特に「窓際」には要注意
植物は、光の変化以上に「温度変化」に敏感なので、昼夜の寒暖差が大きい秋冬 には注意が必要です。特に注意が必要なのは、窓際です。日中は日当たりが良い かもしれませんが、夜になると室温が急に低くなる場所なので、植物への負担も 増大し、体力温存のために葉っぱを落としたりすることもあります。夜の気温が10 度以下の季節になってきたなと思ったら、窓際から少し離し、室内側に寄せてあげると良いでしょう。

植物を見る事を習慣にすれば ちょっとした体調変化に気付きます
ペットに毎日ごはんを食べさせ、かまってあげるのと同じように、植物にも 必要なごはん(水・光・栄養)を適切なタイミングであげたり、過ごしやすい環境を整えてあげて欲しいなと思います。甘やかす必要はありませんが、毎日見てあげるだけでちょっとした変化に気づき、万が一のトラブルにも早く対処できるようになるはずです。植物へのちょっとした気配りが、あなたのインドアグリーンライフをもっともっと楽しいものにしてくれますよ。
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